VPD、子供の予防接種、新生児の病気

赤ちゃんのアザ・ホクロ〜母斑の定義を知っていますか?

赤ちゃんのアザ・ホクロ〜母斑の定義を知っていますか?

 

 

現在、主に正期産の新生児を診療する機会が多いのですが、
赤ちゃんが生まれたお母さんたちが気にするのがやはり
外見的なもの、です。

 

 

その中でも、「アザやホクロ」といったものは、
実に目にする機会は多いですし、
お母さんたちも
「これは何ですか?大丈夫ですか?」
と心配される方が多いわけです。

 

 

NICUで勤務していた時には全く気にも留めていなかった
「アザやホクロ」といったものについて、
今さらながら新たに勉強しているところだったります。

 

 

一般的に言うところでの「アザ」というものは、
医学的には「母斑」というのですが、
この「母斑」の定義はみなさんはご存じでしょうか?

 

 

私も恥ずかしながら最近まで「母斑」の定義など、
考えたこともありませんでした。

 

 

●●性母斑、●●母斑

 

 

などという医学用語は沢山あり、
それを「母斑」の意味や定義などは考えずに使っていました。

 

 

正確に理解するためにも、
ここで「母斑」の定義について一度確認しておこうと思います。

 

 

この「母斑」なのですが、
兵庫医科大学皮膚科学教室の伊藤孝明先生によると、
定義した人により多少解釈が異なるようです。

 

 

Unna:遺伝的または胎生的素因に基づき、生涯の様々な時期に出現し、
極めて徐々に発育し、かつ色調あるいは形の異常を主体とする
限局性の皮膚奇形。

 

Pinkus:先天性と考えられる皮膚の限局性の安定した奇形。
皮膚器官の正常な成熟した構成成分の一つ、
あるいはいくつかの限局性過剰からなっている。

 

川村:母斑は皮膚の組織奇形であって、多少とも動きを示すもの。

 

 

共通しているのは、
母斑は皮膚の奇形である
ということですね。

 

 

大まかにはこのように定義して理解してもよいのではないでしょうか。

 

 

 

さらに、
母斑は先天性と考えられる皮膚の奇形であり、以下の3つに分けられます。

 

 

1.1つの細胞が増加(減少)したもの・・・母斑細胞母斑、青色母斑、太田母斑
2.1つの器官が増加(減少)したもの・・・単純性血管腫、苺状血管腫
3.複数の器官が増加(減少)したもの・・・脂腺母斑(類器官母斑)

 

 

今まで個別の疾患として覚えていたものが、
「母斑」の定義を理解することで、多少整理しやすくなったのでは
ないでしょうか?

 

 

しかしながら、母斑はやはり奥が深いですので、
各論的にまた取り上げていこうと思います。

 

 

記事作成日:2011年2月14日

 

 

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