VPD、子供の予防接種、新生児の病気

B型肝炎胎内感染と考えられる症例を経験

先日、B型肝炎胎内感染と考えれる症例を経験しました。

 

 

母体がB型肝炎ウイルスのキャリアで、
母子感染予防策を施したにも関わらず、
抗体価上昇が得られず胎内感染と考えられました。

 

 

今回の症例は少し特殊な環境下
(母子感染予防策の変更移行期)でのフォローでしたので、
情報をシェアしておきます。

 

 

予め内容を簡潔に述べておくと、

 

 

母子感染予防策が変更になり生後1か月での採血が省略されているという背景
そもそも胎内感染例をこれまで私自身が未経験
生後2か月での採血を省略し、生後6か月での採血とした
生後6か月の採血でHBs抗原陽性が判明

 

 

というものです。

 

 

 

記事作成日:2014年6月29日

 

 

B型肝炎母子感染予防策変更の移行期だった

今回の症例、
母親はHBe抗原陽性のハイリスクグループでした。

 

 

昨年(2013年)の12月に出生した新生児でしたが、
ちょうど2013年10月25日付で、日本産婦人科学会より
B型肝炎母子感染予防方法の変更について
と題した発表がなされていました。

 

 

内容は以下の通りです。

 

 

B型肝炎母子感染予防のためのHB グロブリンとHB ワクチンの投与に関して、
従来の方法が煩雑であったこと等から、
約3割の児に接種漏れが発生していたことが指摘されていました。

 

 

そのため、平成25年10月18 日付けで
厚生労働省から各都道府県担当部局長あてに別添の通知が発出され、
下記の新しい予防方法が保険適応となりました。

 

 

新しい予防方法では産科医の負担が増えることになりますが、
接種漏れを防ぐために、新しい方法への移行について連携されている
小児科医とご検討いただきたくお願い申し上げます。

 

 

 

従来の予防方法
@ 出生直後(遅くとも 48 時間以内) HB グロブリン 1ml 筋肉注射
A 生後 2 カ月 HB グロブリン 1ml 筋肉注射 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射
B 生後3カ月および5カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射

 

新しい予防方法
@ 出生直後(12 時間以内) HB グロブリン(0.5-)1ml 筋肉注射 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射
A 生後 1 カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射
B 生後6カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射

 

 

またここには記載されていませんが、
新予防策では、HBe抗原陽性のハイリスクグループのフォローにおいても、
生後2か月での採血検査が省略され、ワクチン投与が完了してからの採血で、
HBs抗原、HBs抗体チェックを行うことになっています。

 

 

この日本産婦人科学会の通達があったことは
私自身は認識していましたが、
「唐突だな」という印象を持っていました。

 

 

また小児科学会としてはこの件でこの時点では何らコメントを
発しておらず、新しい予防策に統一するには
まだ時期尚早なのだろうと自己判断しておりました。

予防策自体は旧式スケジュールで、採血は2か月時のものを省略

私自身、これまで何例ものB型肝炎母子予防を行ってきましたし、
母親がHBe抗原陽性のハイリスクグループに対しての
母子感染予防策も経験してきました。

 

 

しかしながら、ハイリスクグループであっても、
これまで一度も母子感染が成立していた例は経験したことはなく、
こうした予防策によって、母子感染はまず間違いなく防止できると
考えていた部分がありました。経験的にそう感じていたわけです。

 

 

そこに今回の新予防策の通達がありました。

 

 

新予防策では、

 

 

HBIGを生後12時間以内に投与

さらにHBワクチンも同時に接種

HBワクチンは出生直後、1か月時、6か月時に接種

 

 

となっており、
さらにHBe抗原陽性のハイリスクグループに対する
生後1か月での採血検査、
HBs抗原検査、HBs抗体検査が省略されています。

 

 

ですので、母子感染予防策自体は、
旧式に則って行ったものの、
HBs抗原検査、HBs抗体検査については、
旧式の1か月でのチェックではなく、
新予防策に準拠したワクチン接種完了後に行いました。

 

 

そのため今回の症例については、
本来生後1か月時点でHBs抗原陽性・・・つまり胎内感染が
判明していたはずが、生後6か月での検査となり、
判明が遅れてしまったわけです。

 

 

新予防策のフォロー方法で考えれば、
間違ったことはしていませんが、
純粋に旧式に則っていれば、
無駄なワクチン接種とHBIG投与を行ったことになります。

 

 

胎内感染が成立しておらず、
分娩時に感染が起こったとすれば、
これは出生後の対処・・・HBIG投与とHBワクチン投与で、
感染成立を回避できたはずですし、
やはり胎内感染の可能性が限りなく高いと思います。

 

 

初めての経験でしたし、
また再度B型肝炎ならびに、
母子感染予防について知識を深めようと思いました。

 

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