VPD、子供の予防接種、新生児の病気

新生児感染症の感染経路についての疑問

最近経験した新生児感染症の症例で、
感染経路についての疑問に思ったことがありました。

 

 

この新生児は、
胎児心拍低下のため緊急帝王切開で出生しました。

 

 

週数は39週6日の正期産です。

 

 

破水から娩出までの時間経過は2時間程度。
出生時の臍帯血検査でも白血球やCRPの上昇は認めず。

 

 

子宮内感染を疑うような所見は見当たりませんでした。

 

 

出生後は経度の多呼吸を認め、
保育器内酸素投与で経過を見ていましたが、
これも帝王切開では肺水吸収遅延が発生しやすいため、
一過性の多呼吸だろうと考えていました。

 

 

しかし、日齢1の夜間より、
腹部膨満と嘔吐、さらには活気不良の症状が出現。

 

 

おなかの張りがなんとなく気になったため、
念のために行った血液検査でCRPが9.8・・・

 

 

これには驚きました。

 

 

CRPは急性組織損傷でも上昇します。
3〜4程度の上昇は、経腟分娩で少しストレスのかかった
児であれば実はそんなに珍しいことではないのです。
これはあまり教科書にも記載されていませんが、
多くの症例を経験してわかったことです。

 

 

ですが、9.8という数字はさすがに高い、高すぎる。

 

 

感染経路については釈然としませんでしたが、
すぐに静脈血培養を提出し、その後に抗生剤投与を開始。

 

 

のちに検査結果が判明しましたが、
培養からは有意な菌は検出されませんでした。

 

 

 

 

 

 

記事作成日:2014年6月26日

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