イナビル(インフルエンザ治療薬)と二峰性発熱

イナビル(インフルエンザ治療薬)と二峰性発熱

昨日(2012年10月13日)は
小児科の講演会に出席してきました。

 

 

インフルエンザに関するサーベイランス発表と、
もうひとつ特別講演がありましたが、
インフルエンザ治療におけるイナビルと二峰性発熱
について、個人的に勉強になったので
記事にしておきます。

 

 

■イナビル(インフルエンザ治療薬)と二峰性発熱

 

 

イナビルは新しいインフルエンザ治療薬として、
2010年に承認されていますが、
単回吸入、つまり1回の吸入で治療が完結する、
というメリットを持った薬です。

 

 

コンプライアンスの悪い患者であっても、
単回吸入であれば、というメリットは
当然に考えられますが、
今回の講演会での発表では、
そのメリットを完全に凌駕してしまう
デメリットポイントが指摘されていました・・・

 

 

同じインフルエンザ治療薬、吸入タイプのリレンザ、
という薬がありますが、この薬とイナビルを
比較すると、

 

 

二峰性発熱=一旦37.5度未満に下がった熱が、
24時間以上の間隔をあけて再度37.5度以上に上がる

 

 

をきたす確率が、

 

 

リレンザでは1.8%

 

 

であるのに対して、

 

 

イナビルでは8.9%

 

 

と約5倍もの高頻度で発生する、
というのです。

 

 

■インフルエンザと二峰性発熱

 

 

インフルエンザウイルス感染症における
自然経過では二峰性発熱をみることは
少なくありません。

 

 

ですので、登校開始基準にしても、
「解熱後2日間を経過」
という文言が入っています。

 

 

まる2日、熱がないことが確認できなければ、
インフルエンザの場合は再度熱が出ることがある、
故に登校は不可、ということです。

 

 

そこで今回のイナビルによる二峰性発熱です。
8.9%というと、かなりの頻度です。

 

 

二峰性発熱をきたした場合、
再度の病院受診をする患者も必ず出てきますし、
また、
合併症検索のため、結果的には必要のない、
血液検査等の検査が増える可能性もあります。

 

 

そうなると、インフルエンザ治療としての
イナビルとリレンザの比較における、
この二峰性発熱のデータは、
とても見逃すことの出来ない差であると思います。

 

 

これはあくまで個人的な見解ではありますが。

 

 

記事作成日:2012年10月14日

 

 

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