VPD、子供の予防接種、新生児の病気

胆道閉鎖

患者年齢:0歳1カ月

 

家族歴、妊娠・分娩歴、既往歴:母は0妊0産。児は2007/9/11、在胎39週3日、2052g、吸引分娩にて出生。低出生体重児、子宮内発育遅延のため当院NICUに紹介・入院。日齢2〜5に黄疸で光線療法施行。D-Bil、胆汁酸の軽度上昇などの胆汁鬱滞所見あり、フェノバール、ウルソ内服。入院中は明らかな白色便はみられず。全身状態良好にて日齢9に退院し、外来フォローとなった。

 

診断名:胆道閉鎖症

 

症例要約

 

(主訴)クリーム色便、黄疸

 

(現病歴)胆汁鬱滞所見あり外来フォローされていた。NICU入院中は白色便認めず、また退院後も母の話では便は黄色であるとのことであったが、D-Bilおよび胆汁酸高値が続くため、胆道閉鎖を含め精査目的に10/9、小児科入院となった。

 

(入院時診察所見)体重2996g、体重増加は良好。大泉門平坦、肺野は清、心雑音なし、腹部平坦・軟で肝脾触知せず。黄疸は目立たず。

 

(検査結果)末梢血・生化学:WBC 8000 Hb 10.8 Plt 32.3万 TP 5.2 Alb 3.6 T-Bil 6.70 D-Bil 3.37 ALP 1282 AST 129 ALT 52 γ-GTP 352 LDH 315 CK 121 ChE 275 LAP 104 AMY 7 胆汁酸 141.6 Cre 0.16 BUN 4.8 Na 137 K 5.8 Cl 108 Ca 9.9 IP 7.1 CRP 0.07 IgA 0.9 IgG 456.4 IgM 5.5 リポプロテインX:± 凝固系:異常なし 甲状腺機能:異常なし 血中・尿中アミノ酸分析:異常なし 各種ウイルス検査:異常なし 腹部超音波:胆嚢同定不可 造影CT(10/9):胆嚢同定不可。肝臓腫大あり。肝胆道シンチ(10/10):胆道系描出されず MRCP(10/10):胆嚢及び左右の肝管が辛うじて同定出来るが、総胆管は同定不可。

 

(鑑別診断)新生児肝炎、ウイルス性肝炎、総胆管嚢腫、Alagille症候群、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、シトルリン血症

 

(経過)入院にあたって胆道閉鎖症を念頭に置いていること、胆道閉鎖症であった場合、早急な外科的治療の必要性があることをあらかじめ説明した。10/9に施行した超音波検査、造影CTでは胆嚢同定できず。10/10、肝胆道シンチでは1時間後の画像でも胆道系の描出がなく、胆道閉鎖が強く疑われた。同日午後に施行したMRCPでは胆嚢、左右の肝管が辛うじて同定できるものの、総胆管は同定できず、胆道閉鎖症 U型 b1 βが疑われると放射線科医師からのコメントあり。10/11、24時間後のRI撮影でも胆道系の描出はなかった。入院中の児の活気・哺乳は良好であったが、便を実際に見たところ、緑白色便であった。その他血液検査等も含めて総合的に考えると、胆道閉鎖症が強く疑われるという結論に至り、10/11一旦退院とし、10/15●●大学小児外科入院予定となった。

 

(患児・家族への指導、考察)胆道閉鎖症は早期診断・早期手術が予後に重要に関わり、生後60日以内の手術が望ましいとされている。本症例は低出生体重児・子宮内発育遅延によりNICU入院となった経緯があり、早期に異常に気付かれていたことから早期診断が可能であった。両親へも早期手術の必要性を十分に説明し理解を得た。

 

 

※この症例の思い出

 

この児はNICUで元々自分が診ていた患者だったのですが、
光線療法をしてブロンズベビーになってしまい、
光線療法を中止した経緯がありました。

 

最初は便は灰白色ではなく、色が付いていたという
記憶があります。

 

6年目の頃に診た症例だったと思いますが、
誰も指導してくれる人はいませんでしので、
自分で調べながら診療した記憶が強く残っています。

 

 

記事作成日:2011年2月21日

 

 

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