VPD、子供の予防接種、新生児の病気

胎便塞栓症候群

患者年齢:0歳0カ月

 

 

家族歴、妊娠・分娩歴、既往歴:特記事項なし。

 

 

診断名:胎便塞栓症候群、消化管穿孔、超低出生体重児、新生児呼吸窮迫症候群(RDS)、子宮内発育遅延

 

 

症例要約

 

(主訴)腹部膨満、胎便排泄遅延

 

(現病歴) 2007/12/25、妊娠27週6日、PIH、胎盤機能不全、羊水過少、IUGR、NRFSにて弘大より母体搬送となり、同日緊急帝王切開にて出生。Apgar score 5/8。出生後すぐに気管内挿管しNICU入院となった。

 

(入院時診察所見)出生体重686g。SIMV管理下にてSpO2良好、HR180台、血圧35/25、肺野はrough、心雑音なし、腹部は平坦・軟で腫瘤は触知せず。外表奇形なし。

 

(検査結果)静脈血ガス分析:末梢血・生化学:TP 4.4 Alb 2.9 T-Bil 1.81 D-Bil 0.16 AST 32 ALT 6 LDH 457 CK 247 Cre 0.49 BUN 4.5 Ca 12.6 IP 6.0 IgA 0.9 IgG 591.1 IgM 7.4 WBC 13400 Hb 18.7 Plt 13.0万 blood type:A+ 超音波検査:心臓は大奇形なし、収縮良好、動脈管+(双方向性)、頭部・腹部は異常所見なし。 Xp:肺野透過性やや不良、胃泡拡張+、異常腸管ガス像なし マイクロバブルテスト:weak

 

(鑑別診断)meconium ileus、ヒルシュスプルング病

 

(経過)入院にあたって父親へ呼吸管理を含めた全身管理を行なうことを説明。入院後は保育器収容しSIMV管理とした。中心静脈ライン、動脈ライン確保。出生直後の血圧は35/25前後、末梢循環不全あり。生食負荷(20ml/kg)、サクシゾン3mg/kg iv施行。DOA 3γ開始。その後血圧は安定。検査所見よりRDSと診断し、S-TA 1vial気管内投与。その後は順調に呼吸条件を下げることが出来た。12/24(日齢1)動脈管閉鎖傾向認めず、インダシン0.1mg/kg iv。出生後から徐々に腹満増強し胃内適宜吸引行なうも改善傾向なし。胎便排泄はほとんど認めず。両親へは、このまま胎便排泄が進まず腹部膨満が進行すれば消化管穿孔のリスクが高いことを説明した。その後浣腸、ガストロ注腸等施行するも、腹満改善なし。12/25(日齢2)、腹部膨満著しくXpにて心窩部にfree airを認め、その後のデクビタス画像でもfree airを確認。消化管穿孔と診断し、●●大学小児外科に連絡。同日夜、加療目的に●●大学へ転院となった。

 

(患児・家族への指導、考察)胎便が非常に粘稠であり出生後の胎便排泄が進まず腹部膨満が急激に進行し、消化管穿孔に至った。胎便塞栓症候群は子宮内発育遅延の児に頻度が高く、本症例はそれに加えて動脈管開存症治療のためにインダシンを投与したことが腸管血流の悪化につながり消化管穿孔の一因となったと考えられた。両親へは外科的治療が必要であり当院では手術は不可能であるため、●●大学小児外科に転院し外科治療を行なうことを説明し了承を得た。

 

 

※この症例の思い出

 

 

この症例に限らず、この年はNEC(壊死性腸炎)を発症する
児が多かったことを記憶しています。

 

 

この症例で言えば、インダシン投与が決定打になったのだと
思うのですが、超低出生体重児の管理においては、
薬剤の副作用ということに十分に注意しなければならいことを
学んだ症例でした。

 

 

記事作成日:2011年2月24日

 

 

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