VPD、子供の予防接種、新生児の病気

脳室周囲白室軟化症(PVL)

患者年齢:0歳0カ月

 

 

家族歴、妊娠・分娩歴、既往歴:母1妊1産。IgA腎症の既往あり。

 

 

診断名:脳室周囲白室軟化症(PVL)、極低出生体重児、新生児一過性多呼吸、未熟児貧血

 

 

症例要約

 

(主訴)母体感染徴候、早産児

 

(現病歴) 2007/7/1母発熱あり、また血液検査上も感染が疑われ当院へ母胎搬送となり、同日緊急帝王切開となった。在胎29週5日、出生体重1027g。Apgar score 7/9。術場にて挿管しNICU入院となった。

 

(入院時診察所見)肺野air入り良好も軽度喘鳴聴取。心雑音なし。心拍数180〜200台。腹部は平坦・軟で腫瘤は触知せず。外表奇形なし。

 

(検査結果)静脈血ガス分析:pH 7.466 pCO2 31.1 BE -0.8 Na 133.7 K 4.29 Cl 99 Ca 1.25 BS 44末梢血・生化学:CRP<0.16 WBC 9500 Hb 17.3 Plt 16.2万 超音波検査:心臓奇形なし、左室収縮良好、動脈管開存(L→R)。頭部は両側脳室周囲エコー輝度上昇あり。腹部異常所見なし。Xp:両肺野透過性良好。

 

(鑑別診断)脳室周囲出血、脳梗塞

 

(経過)父へ呼吸管理を含む全身管理を行うと説明した。保育器収容し、中心静脈及び動脈ライン確保。GIR 4.0mg/kg/min、Ca5.8ml/kg/day、DOA/DOB 5/5γ、PIPC+FMOX開始。呼吸管理:NICU入院後はSIMV管理としたが、体動多くまた出生直後より低炭酸ガス血症を認め、生後20時間で抜管、N-DPAP管理(日齢18まで継続)とした。抜管後もしばらく低炭酸ガス血症は持続したが自然軽快。日齢8から無呼吸発作予防のためテオフィリン内服を開始、日齢45修正36週1日時点まで継続。循環管理:出生直後、循環不全を認め、生食負荷、カテコラミン投与、ステロイド投与にて安定。カテコラミンは日齢3に終了、点滴は日齢8に抜去。栄養:日齢1から母乳経管栄養開始。消化は良好で以後順調に哺乳量を増やせた。PVLについて:出生直後の頭部エコー所見にて両側脳室周囲に高輝度領域を認めたことや低炭酸ガス血症をきたしていたことからPVLのリスクを想定。生後2週間を過ぎて両側脳室周囲に嚢胞性病変を認め、cystic PVLと考えられた。7/26(日齢25)両親面会時にPVLのリスクがあること、PVLは病因が解明されてはいないが、脳室周囲白室への血流障害による疾患であること、下肢を中心とした運動障害を呈するリスクがあることを説明。退院前に頭部MRI検査で評価することを説明した。8/29(日齢60)頭部MRI試行。両側多嚢胞性・萎縮性病変を認めPVLの診断。8/20両親面会時に再度PVLについて説明し、運動障害のリスクはあるものの、その程度については今後の発達をみていかなければ現時点では判断できないことを説明し、両親の理解を得た。

 

(患児・家族への指導)定期的に成長・発達のフォロー及び頭部MRIによる画像所見のフォローを行うこと、また運動障害のリスクが高くリハビリの必要性も出てくることを説明した。

 

 

※この症例の思い出

 

 

この症例は出生直後からやけにCO2がはけるなあ、
と不思議に思っていた症例でした。
あとから考えてみると、そのような症状は、
PVLに合致するものだったわけですが。
PVLの症例を経験するのはこの症例が初めてでしたので、
非常に勉強になりました。

 

 

その後の発達については、自分が病院を変わってしまったことも
あり、フォローできていません。それが残念です。

 

 

記事作成日:2011年2月24日

 

 

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