VPD、子供の予防接種、新生児の病気

肺炎

患者年齢:2歳11カ月

 

 

家族歴、妊娠・分娩歴、既往歴:家族歴、妊娠・分娩歴には特記事項なし。11ヶ月時に熱性痙攣の既往あり。

 

 

診断名:肺炎、アデノウイルス感染症

 

 

症例要約

 

(主訴)咳嗽、発熱

 

(現病歴) 2006年12月22日より咳嗽あり。12月24日より39℃台の発熱があり、25日当科外来受診。咽頭発赤を認め、メイアクトを処方。27日、発熱が持続し(4日目)、咽がゴロゴロしてぐったりしているということで再受診。外来での検査で咽頭アデノウイルス抗原陽性。さらにWBC 14920/ul、CRP 16.24mg/dlと炎症反応高値、胸部X線写真上、両肺門部周辺の陰影増強を認め、肺炎の診断で入院とした。

 

(入院時診察所見) 顔色良好であるが膿性鼻汁多く、活気は不良。肺野は明らかな雑音は聴取せず。心音整、心雑音なし。腹部は平坦・軟で腫瘤は触知せず。咽頭発赤及び扁桃に白苔の付着を認めた。

 

(検査結果) GOT 44と若干の高値を認めた以外には生化学データには異常所見なし。LDH 300IU、フェリチン 183.3ng/mlと正常範囲内。凝固系にも異常は認めなかった。マイコプラズマ抗体価は320倍。(Xp)両肺門部周辺に浸潤影あり。培養検査:咽頭培養は常在菌のみ、血液培養はno growth。アデノウイルス血清型:NT法で1型が180倍、2型が256倍、7型は4倍未満

 

(鑑別診断)細菌性肺炎、敗血症

 

(経過)母親に、アデノウイルス感染症は通常咽頭炎・扁桃炎をきたすことが多いウイルス感染症であるが、まれに重症肺炎を発症することもあること、また患児の場合、炎症反応の数値も高値でありアデノウイルス自体には抗生剤は効果はないものの、細菌感染合併も念頭に置き抗生剤投与を含めた入院加療が必要であることを説明し了解を得た。治療:炎症反応高値であったため、細菌感染合併を考慮し、パンスポリン静注(100mg/kg/d)を開始。また、マイコプラズマ抗体価の上昇を認めたためクラリス内服を併用。1日4回吸入施行。検査所見:12月28日(入院翌日)、WBC 8250/ul、CRP 12.03mg/dlと改善傾向であった。胸部Xp上も浸潤影の増強は見られなかった。2007年1月1日、WBC 7420/ul、CRP 1.20mg/dl、マイコプラズマ抗体価は320倍で不変。臨床経過:入院当日(12月27日)は39℃台であったが、翌日より解熱傾向となり、12月29日以降は発熱なし。咳嗽も入院後徐々に軽減していった。2007年1月1日、咳嗽も減少し、全身状態良好、検査所見の改善も認められたため退院とした。

 

(患児・家族への指導、考察)初診時CRP高値であったこと、肺炎を呈していたことからアデノウイルス7型による重症肺炎も疑って入院加療としたが、血清型検査にて7型は否定、良好な経過を辿った。母親へは次回5日後の外来受診までは保育園は休ませ自宅安静とすること、クラリス内服は継続することを指導した。

 

 

※この症例の思い出

 

 

アデノウイルス感染症はウイルス感染症にも関わらず、
CRP値が高値となりますが、ほとんどは咽頭炎・扁桃腺炎で
発熱のみの症状が多いのですが、この症例は、
肺炎を呈していたこと、さらにはCRPも二桁を超えており、
「んん・・」と思った記憶があります。

 

 

結局加療により症状は速やかに改善しましたが、
CRPが二桁あると少し構えてしまいますよね・・

 

 

記事作成日:2011年2月24日

 

 

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