VPD、子供の予防接種、新生児の病気

心室中隔欠損(VSD)

患者年齢:0歳0カ月

 

 

家族歴、妊娠・分娩歴、既往歴:特記事項なし。

 

 

診断名:心室中隔欠損(VSD)、超低出生体重児、双胎、Dry lung syndrome、双胎間輸血症候群(TTTS)、動脈管開存症

 

 

症例要約

 

(主訴)切迫早産、双胎、TTTS

 

(現病歴)母は0妊0産。2007/10/24、MD双胎、TTTS、切迫早産のため前医より母胎搬送となった。2007/11/26、妊娠28週5日、自然破水したため緊急帝王切開となった。児は双胎第一子。啼泣みられれたものの弱く続かず、術場にて気管内挿管しNICU入院となった。Apgar score 5/7。

 

(入院時診察所見)HR 150台、SpO2 90台(FiO2 0.40)、血圧は35/20、肺野:喘息発作様の気管支狭窄音を聴取。心雑音なし。腹部へ平坦・難で腫瘤触知せず。外表奇形なし。

 

(検査結果)静脈血ガス分析:pH 7.232 pCO2 60.6 BE -3.8 Na 136.0 K 4.87 Cl 102 Ca 1.20 BS 51末梢血・生化学:TP 4.3 Alb 2.8 T-Bil 2.37 D-Bil 0.13 AST 45 ALT 3 LDH 618 CK 225 Cre 0.58 BUN 9.0 Ca 9.9 IP 7.1 CRP 0.01 IgA 0.9 IgG 594.2 IgM 4.3 WBC 23500 RBC 353 Hb 16.2 Plt 14.8万 超音波検査:心臓は還流異常なし、左室収縮良好、動脈管開存(L→R) 、大動脈縮窄なし、頭部・腹部は異常なし。Xp:両肺野軽度浸潤影+、心拡大なし、異常腸管ガス像なし。

 

(診断)日齢1の心エコーにて心室中隔欠損(漏斗部欠損)と診断した。

 

(経過)VSDについて:日齢1の心エコーにて、径0.8〜1.0mmほどの漏斗部中隔欠損を認めた。血流は左→右。大動脈縮窄などの他の合併奇形なし。父へはVSDは先天性心疾患の中では最も頻度の高い疾患であること、循環動態に影響なければ経過観察で問題ないこと、自然閉鎖の期待できる疾患であることを説明した。以後左右短絡血流増加はなく、左房拡張も認めずに経過。日齢2より経管栄養を開始し、消化は良好でTWI 150ml/kg/dayまで増加させても循環動態には著変なく経過した。日齢17より利尿がやや乏しくラシックス、アルダクトン内服を開始。日齢42、VSD自然閉鎖確認。利尿良好にて利尿剤内服中止。全身管理:入院後保育器収容しSIMV管理とした。末梢、中心静脈及び動脈ライン確保し、TWI 60ml/kg/day、GIR 3.2mg/kg/min、Ca 5.5ml/kg/day、DOA/DOB 3/3γで開始。PIPC/FMOX各々100mg/kg/day併用。γ-globulin200mg補充。低血圧に対し生食負荷、ステロイド投与を行い改善。入院時より気管支狭窄音聴取され、入院時Xpでも肺野拡張不全ありDry lung syndromeと考えられた。SIMVからHFOに変更し、最終的にはPSVとした。日齢7に抜管、N-CPAP管理とした。日齢1、動脈管開存症に対しインダシン投与を行い、日齢2に閉鎖確認。日齢2より経管栄養開始。消化は良好。日齢6〜7、高ビリルビン血症にて光線療法施行。日齢10より無呼吸発作予防目的にテオフィリン内服開始。2008/1/9(日齢44)、両親の住居が●●市であるため●●病院へ転院となった。

 

(患児・家族への指導、考察)経過中はVSDが循環動態に影響を及ぼすことはなく自然閉鎖した。他の合併心奇形もなく、心機能に関しては問題ないことを説明し理解を得た。

 

 

※この症例の思い出

 

 

結局心室中隔欠損については自然閉鎖し何の問題もありませんでした。
心室中隔欠損は超音波検査が導入されてからは診断例が増加しており、
最近の私個人が集計した院内データによると150人に一人ぐらいの
割合でいるというデータが出ました(母数は約2800)。

 

 

心雑音に気付かれず見逃される症例や、
(現在私が勤務している病院ではこれはほぼゼロだと思います)
筋性部の小さな欠損孔で1カ月検診時には既に自然閉鎖するような
症例を全てひろいあげると上記のような数字になると思います。
実際はもっと多い気がしていますが。

 

 

記事作成日:2011年2月24日

 

 

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